M1のスリムクラブさんがすばらしかった。
M1の会場では、一言目には緊張しているという言葉が出てきます。そして優勝したら一転スターということもあいまって、会場の演者からテレビを見ている人間まで、多くの人間に緊張を強いていました。
笑いはカントも言っていましたが、緊張の緩和から生まれるものです。M1の緊張を強いる舞台は、ある意味笑いにはもってこいでした。
しかし、この舞台を有効に使い、緊張を崩したのはスリムクラブだけでした。彼らは緊張を見事に逆手にとって、大きな間を使って緊張を崩したのです
わたくしはやられてやっと気づきました。M1は誰が一番うまく緊張を壊せるかの大会だったのです。
皮肉なのか幸運なのか、最後のM1の大会にスリムクラブは現れました。M1は最後の大会にして、やっと理解者とめぐり合えたのです。
優勝は笑い飯でした。おもしろかったですし、温情もございます。しかし、M1に一番ふさわしかったのはスリムクラブだった、わたくしはそう確信します。