早めに見えなくなると思います。
by swingpop
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意味のない怖い話
 意味のない話を書きたかったというより、浮かんだから書いただけというテンション。



 私はよく石を飲み込む。
 そのことを父親母親からよく心配され、兄からは笑われる。
 ある夜、私の目の前に田んぼの妖怪が現れた。私の家の田んぼは彼の傘下らしい。
 妖怪が物を言う前に聞く。
「なぜ砂丘には妖怪がいない」
「知らぬ。お前がなればいい」
 私はならぬと答えた。砂丘には石がなく砂しかない。
 しかし田んぼの妖怪は聞き耳を持たず、先に砂丘へ向かっていく。
 右手には赤く染まった角が丸いのレンガのような大きさの石。
 それが綺麗だったので私はついて歩いた。

 砂丘の妖怪になった。
 砂丘には岩はあるが石がない。
 私は石を作るために岩が雨風で砕かれるのを待って、それに砂をかけた。両手一杯の砂を小さく開けた隙間から流すのだ。石は有り余る砂で研磨され、丸い石となった。
 尖った石は嫌いだ。喉に角が当たって血を吐くことになる。
 私は丸い石をいくつも作った。石を並べ、お店のようにもした。誰にも売らない。私に話しかける者もない。

 神無月の終わり、大川の妖怪が砂丘に来た。
 大川の妖怪は神様でもないくせに、神無月に出雲に向かう妖怪だ。なぜそうするのかは知らぬが、その顔は機嫌よさそうだった。
 大川の妖怪が石を見る。
「この石はなんだ、川から流れてきたのか」
「砂で作った。やらぬ」
「いらぬわ。しかし本当に川はないのか。大きなオアシスでもあるか」
 大川の妖怪が砂丘に登って周りを見渡す。
 声が届かぬので大声を張る。
「砂丘にオアシスなどあるはずない。あるのは砂だけだ」
「そのようだが、大川の何倍も長い川がなければこんな石は作れるぬ」
 私は面倒になっていう。
「ならばお前が砂丘の妖怪になれ」
「ならぬ。しかしここは気になる代われ」

 私は大川に住む砂丘の妖怪になった。
 大川はぐねぐねと曲がり、曲がりが急なところに石がたまる。たまった石は水流で研磨され、砂でやるより簡単に丸い石ができる。
 毎日丸い石を食べた。砂で削ることなど忘れてしまった。
 半年丸い石を食べたら、次の一回は少し尖った石。なぜか欲しくなるのだ、あの尖りが。
 ある日大川に田んぼの妖怪が現れた。レンガのような石は握っていなかった。
「どうした」
「大川の妖怪が大川を返してほしいと言っている」
「ならぬ。まかりならぬ」
「願いを叶えよう。石の妖怪になるか、人間に戻るか」
 私は考えた。何度も考えたことがあることを考えた。なので答えはすぐに出た。
「砂丘に大川の丸いつやつやとした石を届けさせろ」
 私は砂丘に住む砂丘の妖怪に戻った。
 砂丘には大川の妖怪が起こした洪水によって、丸いつやつやとした石が届けられるようになった。
 石のつややかさは私を映す。
 考えるのだ。田んぼの妖怪の願いの選択肢を考えるのだ。
 石の妖怪になっていたら、自分で自分を食べたのだろうかと。
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by swingpop | 2010-10-25 03:15 | 日常
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